フィラメント乾燥機

外観 イノマタ乾物ストッカーで作った防湿フィラメントケースにアイリスオーヤマの布団乾燥機を接続してフィラメント乾燥機に。

設計

入り口 上の蓋と同じサイズの板に空気の入り口と出口をつけて、入り口に布団乾燥機の先をケースに固定できるようなアダプタを作ります。 (たぶんアイリスオーヤマの同様のタイプのものならだいたい同じ形だと思うけど未確認。)

モデリング 入り口の内側には空気の吹き出し口みたいな管をつけます。 これによってケース内の空気の循環がよくなり乾燥も早くなるようです。

出口 出口のサイズはけっこう重要で、布団と違ってこのケースの場合は空気の出口がここしかないので入り口と同じぐらいの断面積にします。 せっかく温めた空気が漏れたらもったいないからと穴を小さくしよう、というのは逆効果で、それだと温度はむしろ下がってしまう。 なぜならケース内の空気よりも乾燥機から送られてくる空気のほうが温度が高いから。(更にいうと湿度も低い。) なのでどんどん排出して新しい空気を取り入れるほうが結果的にケース内の温度は高くなるし、出てきた水分をケースの外に排出することにもなります。

材料

防湿フィラメントケース

あるいはイノマタ乾物ストッカー単体でも使えます。

・アイリスオーヤマの布団乾燥機(カラリエ)

実際に使ったのはかなり古いモデルで中古品として3千円ぐらいで売られていたものです。 (同等の現行モデルはこのへんらしい。) おそらく同じシリーズのものなら使えると思います。 本来の用途である布団乾燥機としても使えるとはいえ、新品だと市販のフィラメントドライヤーより高いかも。

・フィラメント

このページの写真ではASAを使ってますがプリントが難しくて苦労しました。PETGとかでもよかったかも。 ちなみにケースの耐熱温度としては70度だそうです。

使い方

ケースの上の蓋を外して布団乾燥機をアダプタにセットし、50度で120分ぐらいが目安。 最初にいったん湿度が急上昇したあと、だんだん下がってきます。 可能ならときどき逆向きにしてみると良いかも。 乾燥が終わった後にフィラメントが吸湿しないように乾燥剤を入れて蓋をしてください。

余談

乾燥機ってだいたい空気を加熱して送り込む仕組みですよね。 この空気って外気をそのまま取り込んでるわけで、加熱したからといって水分が消滅するわけではないので、その水分もろとも送り込まれるわけです。 なんでそれで乾燥できるの? とか不思議じゃないですか?

理由は、含まれる水分量が同じでも温度が上がると相対湿度は下がるから、だそうです。 問題は空気中の絶対的な水分量ではなく空気にどれだけ水分を吸収できるか、なので、 温度が上がるともともと含まれていたのよりもさらに多くの水分を空気中に吸収できる、と。 要は相対湿度すなわち湿度計の表示をそのまま鵜呑みにすればいいということみたいです。

でも最終的には温度を下げるので結局もとに戻ってしまうのでは? いや大丈夫。 たしかにケース内の空気についてはそうですが、温度が下がってもフィラメントから抜けた水分はすでに大気中に排出されています。 ただ温度が下がると一時的にケース内の湿度が上がるので、せっかく乾燥したフィラメントに水分が戻ってしまわないように乾燥剤を入れておきましょう。

ダウンロード